<所得税の節税ポイント>


配当所得と株式譲渡損失との損益通算

上場株式の配当については、税率10%(所得税7%と住民税3%)による源泉徴収で課税完了として申告不要とするか、確定申告を行う方法のいずれかを選択できます。確定申告には「総合課税」と「申告分離課税」の2つの方法があり、申告する配当等の全額につき総合課税または申告分離課税のいずれかを選択する必要があります。
総合課税では、配当所得は他の所得とともに総所得金額に含めて累進税率(所得税5%〜40%、住民税10%)により課税され、配当控除の適用があります。申告分離課税を選択する場合には、配当所得は他の所得と分離して、10%(所得税7%と住民税3%)の税率で課税され、配当控除の適用はありません。 なお、確定申告をした配当所得が38万円を超えると、配偶者控除や扶養控除の適用は受けられないので注意が必要です。

上場株式の譲渡益に対しては、税率10%(所得税7%と住民税3%)により課税されます。源泉徴収選択口座における上場株式の譲渡所得は源泉徴収にて課税は終了し、申告不要とできます。 上場株式の売却による譲渡損失の金額は、申告分離課税を選択した上場株式にかかる配当所得との損益通算ができます。配当所得と損益通算をしてもなお控除しきれない譲渡損失の金額は、翌年以後3年間にわたり、確定申告により株式にかかる譲渡所得および上場株式にかかる配当所得の金額から繰越控除できます。 譲渡損失の繰越控除については、まず譲渡所得から控除し、なお控除しきれない損失の額を配当所得の金額から控除します。
平成22年分の確定申告では、平成19年以後の年分に生じた上場株式にかかる譲渡損失の金額で平成22年に繰り越されている金額が、本年分の譲渡所得および配当所得の金額から控除することができます。

(上場株式の配当に対する課税) 〜 平成23年12月31日まで 〜
(1)確定申告をする
  @ 総合課税 ・・・ 累進税率で課税/配当控除あり/譲渡損失との損益通算なし/扶養控除等の判定での合計所得金額に含まれる
  A 申告分離課税 ・・・ 10%(所得税7%と住民税3%)/配当控除なし/譲渡損失との損益通算あり/扶養控除等の判定での合計所得金額(注)に含まれる
 (注)申告分離課税を選択した場合の合計所得金額は、譲渡損失との損益通算を適用した後、譲渡損失の繰越控除を適用する前の金額
(2)確定申告をしない(申告不要制度の適用)
 10%(所得税7%と住民税3%)/配当控除なし/譲渡損失との損益通算なし/扶養控除等の判定での合計所得金額に含まれない


「住宅ローン控除」で税金を取り戻す

「住宅ローン控除」とは、借入金により、一定の要件を満たす国内の居住用の新築家屋もしくは中古住宅の取得または現在居住している住宅の増改築等をした場合に、年末の住宅借入金残高の合計額を基として一定の控除率により計算した金額を税額から控除できる制度をいいます。 これらの新築住宅等に取得等の日より6か月以内に居住し、かつ、年末まで引き続き居住の用に供している必要があります。

具体的には、平成25年12月31日までの間に居住の用に供した場合、その居住年以後10年間にわたり、次に掲げる控除率に年末の住宅借入金額を乗じた金額を各年分の所得税の額から控除できます。表のとおり、いずれの年も控除率は1%で同じですが、借入金の上限額が引き下げられています。 たとえば、平成23年に居住する場合は、住宅借入金の年末残高が5,000万円であっても、借入金の上限額4,000万円の1%相当額の40万円が税額控除限度額となります。

(居住年度別の住宅ローン税額控除の額)
 @ 平成21年1月1日から平成22年12月31日までの居住 ・・・ 借入金の上限額5,000万円まで10年間にわたり1%(各年の控除限度額は50万円)
 A 平成23年1月1日から平成23年12月31日までの居住 ・・・ 借入金の上限額4,000万円まで10年間にわたり1%(各年の控除限度額は40万円)
 B 平成24年1月1日から平成24年12月31日までの居住 ・・・ 借入金の上限額3,000万円まで10年間にわたり1%(各年の控除限度額は30万円)
 C 平成25年1月1日から平成25年12月31日までの居住 ・・・ 借入金の上限額2,000万円まで10年間にわたり1%(各年の控除限度額は20万円)

本来、住宅ローン控除は所得税にのみ認められている税制優遇であり、住民税には適用がありませんでした。しかし、平成19年に実施された国から地方への税源移譲に伴い、所得税額が下がる一方で住民税が増加した多くの世帯では、住宅ローン控除額を所得税から控除しきれないケースが起こってしまいました。そこで、税源移譲前の住宅ローン控除の効果を確保する観点から、所得税から控除しきれなかった額を翌年の住民税から税額控除できる特例が設けられています。
平成11年から平成18年までに居住した人、または平成21年から平成25年に居住する人は、所得税から控除しきれない控除額について、前年分の課税所得金額の5%(97,500円を上限とする)を限度として翌年の住民税から控除できます。(平成19年と平成20年に居住した人は所得税の確定申告時に、本則と税源移譲特例のいずれかを選択できる特例がありました)


「住宅取得資金の贈与」に関する改正

父母や祖父母などの直系尊属から住宅取得資金の贈与を受けた受贈者が、翌年3月15日までに、一定の要件を満たす自宅の取得等をして居住の用に供する場合には、一定額について贈与税が非課税となります。
この特例は平成21年分の贈与から適用されており、平成22年分と平成23年分の非課税限度額は次のとおりです。

(住宅取得資金の贈与税の非課税)
(1)平成22年度分の贈与
  @ 平成21年分で非課税の特例を適用した場合 ・・・ 1,500万円−平成21年分で適用した非課税額
  A 平成21年分で非課税の特例を適用していない場合 ・・・ 1,500万円(受贈者の贈与年の合計所得金額が2,000万円を超える場合には500万円)
(2)平成23年分の贈与(注)
  @ 平成22年分で非課税の特例を適用した場合 ・・・ 1,500万円−平成22年分で適用した非課税額
  A 平成22年分で非課税の特例を適用していない場合 ・・・ 1,000万円
 (注)平成21年分で非課税の特例を適用している場合または平成22年分で受贈者の贈与年の合計所得金額が2,000万円を超える場合の非課税特例(限度額500万円)を適用している場合には平成23年分は適用されない

なお、贈与を受ける人(受贈者)は、次の条件のすべてを満たす必要があります。
 @贈与時に日本に住所を有すること
 A贈与時に日本に住所を有しない場合は日本国籍を有し、かつ、受贈者または贈与者が贈与前5年以内に日本国内に住所を有していること
 B贈与者の直系卑属であること
 C贈与を受けた年の1月1日において20歳以上であること
 D贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下であること


「ふるさと納税」で納税先を選択する

個人住民税では、都道府県または市区町村に対する寄附金については、寄附金控除および「ふるさと納税」としての特例控除の適用が認められます。
ふるさと納税とは、個人が貢献したいと思う都道府県や市区町村に対して寄附を行った場合に、住民税と所得税から一定の控除を受けることができる制度をいいます。
ふるさと納税といっても、出身地や居住地の都道府県・市区町村に対する寄附に限られず、寄附先は自由に選択ができます。また複数の都道府県や市区町村への寄附金も控除対象となります。寄附をとおして、納税者が選択した都道府県や市区町村に貢献できるしくみになっています。

地方税での寄附金控除とは「税額控除」です。寄附金の支出額と総所得金額の30%相当額のいずれか少ない金額から5,000円を控除した金額につき、控除率10%(道府県民税4%、市町村民税6%)により、納めるべき住民税額から控除されます。この基本控除に加えて、特例控除(ふるさと納税)制度では、住民税所得割の10%相当額を限度として、寄附金のうち一定額につき、5分の2は道府県民税から、5分の3は市町村民税から控除されます。
具体的には、「寄附金のうち5000円を超える部分の金額×(90%−納税者の所得税の限界税率)」に相当する金額につき、基本の寄附金控除とは別に税額控除が受けられます。
一方、所得税における寄附金控除とは「所得控除」であり、寄附金の支出額と総所得金額の40%相当額のいずれか少ない金額から2,000円を控除した金額を所得金額から控除して所得税額を計算します。(一定の「政党等に対する寄附金」については税額控除を選択することができます)
結果として、地方公共団体への寄附金のうち5000円を超える金額は、所得税での所得控除と合わせて、一定限度額までは、その全額が控除されることとなります。
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