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最近の税制改正や会計制度の改正点を掲載しています平成23年税制改正の重要項目 グループ法人税制完全支配関係がある複数の大法人(資本金または出資金の額が5億円以上である法人、保険業法に規定する相互会社等)に発行済株式等の全部を保有されている法人についても、次の中小企業の特例を適用しないこととされました。@ 軽減税率(年間所得800万円まで18%) A 特定同族会社の特別税率の不適用 B 一括評価金銭債権に対する貸倒引当金の法定繰入率 C 交際費等の損金不算入制度における定額控除制度(年600万円) D 欠損金の繰戻による還付制度 平成22年度税制改正では、完全支配関係にある一つの大法人に支配されている法人についてのみ適用対象とされていました。今回の改正により、複数の大法人に支配されている中小法人についても、中小企業特例が適用されないこととなります。 中間納付制度法人税の中間納付制度について、仮決算による中間税額が前事業年度の確定法人税額の12分の6を超える場合には、仮決算による中間申告書は提出できないこととされました。棚卸資産の評価方法低価法による評価につき「切放し法」が廃止されました。平成23年4月1日以後に開始する各事業年度の棚卸資産の取得価額は平成23年4月1日以後最初に開始する事業年度の前期末の評価額とする経過措置が設けられています。試験研究費の税額控除試験研究費の総額に対する税額控除限度額を法人税額の30%(本則20%)とする特例が1年間延長されました子会社株式の評価損完全支配関係にある子法人株式について、平成23年4月1日以後の評価替えでは、@清算中の場合、A解散(合併による解散を除く)が見込まれる場合、B完全支配関係がある他の内国法人との適格合併による解散が見込まれる場合、には評価損が計上できないこととなりました。雇用促進税制による税額控除(平成23年4月1日〜平成26年3月31日の開始事業年度)@対象法人 ・・・ 公共職業安定所長に雇用促進計画の届出を行っている青色申告法人 A適用要件 (イ)前期および当期に事業主都合による離職者がいないこと (ロ)雇用保険一般被保険者数が対前年比で10%以上かつ5人(中小企業者等は2人)以上増加したことにつき公共職業安定所長の確認を受けた場合 (ハ)当期の給与等の支給額が、比較給与等支給額(前期の給与等の支給額+前期の給与等の支給額×基準雇用者割合×30%)以上であること (ニ)風俗営業等を営む法人でないこと B税額控除額 ・・・ 増加一般被保険者数×20万円 C控除限度額 ・・・ 法人税額×10%(中小企業者等は20%) 雇用促進税制による「認定次世代育成支援対策法人の建物」の割増償却(平成23年4月1日〜平成26年3月31日の期間)@対象法人 ・・・ 次世代育成支援対策推進法の認定を受けた青色申告法人 A適用要件 ・・・ 認定事業年度において有する事業供用建物で、認定事業年度及びその認定に係る一般事業主行動計画期間内に新築・増築等したもの B償却割合 ・・・ 普通償却限度額×32%の割増償却 環境関連投資促進税制(平成23年6月30日〜平成26年3月31日までの取得等)青色申告書を提出する法人が、エネルギー環境負荷低減推進設備等(@エネルギーの有効な利用の促進に著しく資する設備等、A建築物に係るエネルギーの使用の合理化に著しく資する設備)を取得等し、1年以内に事業供用した場合には、次の制度が適用されます。@資本金1億円超の大法人 ・・・ 特別償却(取得価額×30%) A中小企業者等 ・・・ 特別償却(取得価額×30%)または税額控除(取得価額×7%、法人税額×20%を限度とし、控除限度超過額は翌1年間の繰越控除が可能)の選択 平成22年税制改正の重要項目 T.「グループ法人税制」のあらまし 中小企業にも影響がある「グループ法人税制」の概要平成22年度税制改正において、「グループ法人税制」が創設されました。グループ法人税制では、「完全支配関係」にある企業グループ全体を一体で課税すべきとの考え方によっています。完全支配関係とは、次のいずれかに該当する場合をいいます。@ 一の者(内国法人のほか個人および外国法人を含む)が法人の発行済株式等の全部を直接または間接に保有する関係 A 一の者との間に当事者間の完全支配関係がある法人相互の関係 そのため、100%出資の子会社だけではなく、孫会社、一の者(個人の場合はその者と同族関係者である個人を含む)により完全支配されている法人同士もグループ法人税制の適用対象となります。 また今回の改正のうち、中小企業に影響が大きいのは、「大法人の完全支配子会社に対する税制優遇制度の不適用」です。具体的には、平成22年4月1日以後に開始する事業年度より、資本金5億円以上の大法人の「完全支配関係」にある中小法人に対して、次の中小企業向けの特例措置が不適用となりました。 @ 軽減税率(年間所得800万円まで18%) A 特定同族会社の特別税率の不適用 B 一括評価金銭債権に対する貸倒引当金の法定繰入率 C 交際費等の損金不算入制度における定額控除制度(年600万円) D 欠損金の繰戻しによる還付制度 改正後は、中小企業への税制優遇特例は、その会社の資本金の大きさだけではなく、親会社等の資本金の規模も考慮する必要があります。なお当規定が適用されるかどうかは、事業年度終了日における資本関係および資本金額により判定されます。 100%グループ法人間での「資産譲渡」グループ法人税制の適用により、完全支配関係にあるグループ法人間での資産譲渡については、その譲渡損益を繰り延べることとされました。 この改正は平成22年10月1日以後の譲渡より適用されます。具体的には、内国法人が、完全支配関係がある他の内国法人に対して「譲渡損益調整資産」を譲渡した場合に、その譲渡損益について、一定の要件を満たすまで、一回に限り、課税を繰り延べます。 譲渡損益調整資産とは、固定資産、土地等、有価証券(売買目的有価証券を除く)、金銭債権、繰延資産のうち譲渡直前の帳簿価額が1,000万円以上のものをいいます。 棚卸資産は譲渡損益調整資産に含まれませんが、土地等は固定資産だけでなく、販売用不動産などの棚卸資産も譲渡損益調整資産に含まれることに注意が必要です。 譲渡法人において繰り延べられた譲渡損益は、譲受法人において再譲渡(グループ法人内での再譲渡を含む)、減価償却費の計上、評価換え、貸倒れ、除却等の事由が生じたとき、または、譲渡法人が譲受法人と完全支配関係を有しなくなったときに譲渡法人において損益計上されます。 再譲渡には、グループ法人外への譲渡だけではなく、グループ法人間の他の法人への譲渡も含みます。結果として、1回に限り譲渡損益が繰り延べられます。 なお譲渡損益調整資産に該当する資産の譲渡についても、税務上は、時価による譲渡があったものとされます。 例えば、譲渡法人での帳簿価額が5,0000万円、時価が1億円の土地を譲渡した場合には譲り受けた法人での取得価額は1億円となります。 また減価償却資産の譲渡の場合は、譲受法人では、その資産の時価を税務上の取得価額として減価償却費の計算を行います。 100%グループ法人間での「寄附」グループ法人税制の適用により、完全支配関係にある内国法人間の寄附については、寄附金の支出法人では全額が損金不算入とされるとともに、寄附金の受贈法人では全額が益金不算入となります。改正前は、寄附金の支出側で損金算入限度額を超える金額は損金不算入とされ、寄附金を受ける法人側で受贈益が課税されるという二重課税の問題が生じていました。 平成22年度税制改正により二重課税が回避されることとなりました。 この改正は、平成22年10月1日以後に支出する寄附金および受ける受贈益について適用されます。 ただしこの規定は、内国法人または外国法人により完全支配関係にあるグループ法人間の取引に限り適用されます。そのため、個人株主による完全支配関係にあるグループ法人間の寄附には適用されません。 グループ法人間での資金援助について、一般的には、増資の引受けや貸付金の貸付けを行うことが多く見受けられます。 改正により、今後は、100%グループ法人間での寄附という形をとれば、増資や貸付けに伴う事務手続きや金利負担を軽減できるとともに、税負担なくグループ法人内で資金の贈与が可能となります。 なお寄附が行われた場合は、株主である法人において、移転した利益の額に持分割合を乗じた金額を株式の帳簿価額および利益積立金額から増減させる「寄附修正」を行わなければなりません。寄附修正とは、寄附により税負担なく移転した利益を株式の帳簿価額に反映させることで、子会社株式の売却損益の計上を利用した租税回避行為を防止するために設けられたものです。 例えば、甲社の100%子会社である乙社から丙社へ50の寄附が行われた場合、株主である甲社は、乙社株式の帳簿価額を50減算するとともに、丙社株式の帳簿価額に50加算しなければなりません。 100%グループ法人間での「現物分配」グループ法人税制の適用により、完全支配関係にある内国法人間での現物分配(適格現物分配)は組織再編成の一形態として位置づけられ、その資産は帳簿価額により譲渡したものとし、配当支払いに関する源泉徴収も行わないこととなりました。現物分配とは、金銭以外の資産による剰余金の配当、分配またはみなし配当をいいます。具体的には、完全支配関係にある内国法人間での現物分配により移転する資産は、時価評価の対象外とし、譲渡損益の計上および源泉徴収も不要となります。 資産の移転を受けたことにより譲受法人で生ずる収益についても益金不算入とされ課税されません。譲受法人では、移転資産の現物分配直前の帳簿価額相当額により取得したものとして所得計算を行います。 グループ内の組織再編成を行うに際し、改正前は、株式譲渡や会社分割などが活用されていました。改正後は、株式の現物分配を活用することで、株式譲渡益に対する課税や組織再編に伴う事務手続きのコストを避けながら、迅速なグループ再編成が可能となります。 例えば、完全支配関係にある甲社の100%子会社である乙社が、乙社の100%子会社である丙社の株式を適格現物分配により甲社に交付する場合は、分配を受けた甲社では丙社株式を分配直前の乙社における帳簿価額相当額により取得したものとされます。また、乙社の親会社甲社に対する現物分配は完全支配関係にある内国法人間の適格現物分配であるため源泉徴収の必要はありません。 なお、これらの適格現物分配は税制上の適格組織再編成に該当するため、繰越欠損金の繰越控除制限など一定の規制が設けられていることに注意が必要です。 この改正は、平成22年10月1日以後に行われる現物分配(残余財産の分配は同日以後の解散に伴うものに限る)について適用されます。 U.中小企業経営者に対する改正 「小規模企業共済」の改正「小規模企業共済」とは、国が全額出資する独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する共済制度です。小規模企業者(個人事業者または会社役員)の福祉の増進と小規模企業の振興を目的としています。掛金全額が所得控除の対象となり、将来受け取る共済金は退職所得として課税されるなど節税効果は非常に大きなものです。これまで小規模企業共済への加入者は、常時使用する従業員が20名以下(商業またはサービス業は5名以下)の会社役員および個人事業主本人に限定されていました。 改正により、平成23年1月1日から、個人事業の経営に携わる一定の「共同経営者」も2名まで加入できることとなりました。 共同経営者とは、個人事業主の配偶者や後継者、親族以外の人で、事業経営での重要な意思決定をしている人、事業に必要な資金を負担している人、事業執行に対する報酬を得ている人をいいます。 「中小企業倒産防止共済共済」の改正取引先の倒産の影響による中小企業の連鎖倒産を防止するための共済制度として、「中小企業倒産防止共済」があります。当共済に加入すれば、取引先が倒産したことにより売掛金等の回収が困難になった場合に、共済金の貸付けが受けられます。売掛金等とは売掛金と前渡金をいい、貸付金や融通手形、不動産賃貸料などは貸付けの対象となりません。また、倒産した取引先に買掛金などの債務がある場合には、回収不能額と相殺されます。 共済金の貸付限度額は、回収が困難になった売掛金等と掛金総額の10倍に相当する額のいずれか少ない金額(最高3,200万円)です。 例えば、掛金総額が100万円で回収不能額が1,200万円の場合、被害額よりも掛金総額の10倍相当額の方が少ないので、貸付金は1,000万円となります。共済金の貸付けは無利子で、6か月の据え置き期間を含めて5年間で返済します。 毎月の掛金は5,000円から8万円までの範囲内(5,000円単位)で自由に選択でき、税務上の損金(個人事業者の場合は事業所得の必要経費)に算入されます。 掛金総額が320万円になるまで積み立てることができ、掛金残高が掛金月額の40倍に達している場合は掛金の払い込みを止めることもできます。 また、掛金の払込月数が40か月以上で、共済金の貸付けを一度も受けていない場合は、掛金全額を「解約手当金」として受け取ることができます。 (中小企業倒産防止共済に加入できる事業者の要件) @ 製造業、建設業、運輸業その他の業種 ・・・ 資本金3億円以下または従業員数300人以下 A 卸売業 ・・・ 資本金1億円以下または従業員数100人以下 B 小売業 ・・・ 資本金5,000万円以下または従業員数50人以下 C サービス業 ・・・ 資本金5,000万円以下または従業員数100人以下 D ゴム製品製造業(自動車用タイヤ、航空機用タイヤ、工業用ベルト製造業は除く) ・・・ 資本金3億円以下または従業員数900人以下 E ソフトウェア業、情報処理サービス業 ・・・ 資本金3億円以下または従業員数300人以下 F 旅館業 ・・・ 資本金5,000万円以下または従業員数200人以下 (注)資本金の額または従業員数基準のいずれかを満たしていれば加入できる なお、平成23年10月までに、掛金月額の上限を20万円、積立限度額を800万円、貸付限度額を8,000万円に引き上げる改正が実施される予定です。 |
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